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2月, 2019の投稿を表示しています

少水常流如穿石

飛行機が好きである。携帯アプリにフライトレーダーなるものがあって、今空を飛んでいる飛行機の情報がすぐ出るのである。今朝はソーダ色の空に落書きしたみたいな右往左往の無造作な線が描かれている。「乱雑な戯れのあと」と呟きながら、アプリで落書きの手がかりを検索する。かなり離れた地方で航空ショーが開催されているのを見つけた。

かなり前のことだが、毎年11月初旬になると、東の方の町でアエロバティックショーが開催されていた。運が良ければ、とてもチャーミングなブルーインパルスジュニアの演技も見られた。もちろん曲芸乗りは素敵なのだが、なんといっても演技の前や後で、“流し”で飛んでいる飛行機が素敵なのである。ゆうゆうと道もない広い空を横切る機体。距離も高さも制限がない、曲がり角さえない空の道。機体は大きな森の上を渡りながら、地上に落ちた機体の影も揺れながら流れていく。過酷なGに耐えなければならない演技を前にして、あるいは演技を終えて。そんな負担などこちらには少しも感じさせずに、実にゆうゆうと機体は飛ぶのである。

技を磨き、披露するために乗り越えた道、そこにかけた時間、執着に近い情熱。美しいものの裏には、不揃いでばらばらな色の石を敷き詰めたような道がある。時折危なっかしくやっとやっと積み上げたような石の塔が見える。また飛行機見に行きたいなあ。見上げた太陽が眩しい、足元は寒いけれど。乱雑な落書きは消えかけている、残らないものはいつも愛しい。さて、今日も頑張ろう。
CC by Cp9asngf